「失敗するな」より、
「挑戦してこい」。
うまくいかなかった日を、次の一歩につなげるために。
挑戦した子が、もう一度挑戦したくなる。
私は、そんな場所をつくっていきます。
シュートが入らなかった。パスを取られた。練習してきたことを、試合で出せなかった。頑張ってきたからこそ、うまくいかなかった日は悔しいものです。
見守るご家族にも、「もっとできるはず」「次は頑張ってほしい」という想いがあると思います。その気持ちは、子どもの可能性を信じているからこそ生まれるものです。
その悔しさや期待を、次の挑戦につなげるために。コートでも、家に帰ってからも。私たち大人にできることは、失敗したあとの声のかけ方にもあります。
そのミスの前に、どんな挑戦があったか。

空いた瞬間を見つけて打ったシュートが、外れることがあります。味方の動きに気づいて出したパスが、少しずれてしまうこともあります。
結果とともに、その前に何を見て、何を考え、どう動こうとしたのかを知りたい。そこには、昨日まで気づけなかったことに気づいた成長や、自分から踏み出した一歩があるかもしれません。
「何が見えていた?」「どうしようと思った?」。本人の考えを聞いたうえで、判断や技術を振り返り、次に変えることを一緒に探す。私は、その順番を大切にします。
勝つために、プレーの精度を高める。その過程で、自分で考えて動いた一歩を、見落とさない。この両方を大切にしていきたいのです。
挑戦は、小さな一歩にもある。
苦手な方の手でプレーしてみる。わからないことを、コーチに聞いてみる。仲間に自分の考えを伝える。ミスをしたあと、もう一度ボールを受けようとする。
周りからは小さく見えることでも、その子にとっては、勇気のいる一歩かもしれません。得点や勝敗と一緒に、そうした変化にも気づける大人でありたいと思います。
「さっき、自分から声を出していたね」「もう一回やろうとしていたね」。実際に見えた行動を、具体的な言葉にして伝える。自分の挑戦を誰かが見てくれていた。その実感を、次の一歩を踏み出す支えにしてほしいのです。
帰り道は、答えを急がなくていい。
試合が終わったばかりの子どもは、悔しさや疲れで、まだ自分の気持ちを言葉にできないこともあるでしょう。そんなときは、まず「お疲れさま」と迎える。今すぐ話さなくても大丈夫だと伝わる時間を、つくれたらと思います。
本人が試合の話を始めたら、まずはその話を聞く。少し落ち着いてから、こんな言葉を添えることもできます。
「今日、自分からやってみたことはあった?」
結果に表れなかった挑戦を、本人の言葉で聞くきっかけになります。「悔しかったのは、どんなところ?」「次の練習で、何をやってみたい?」という聞き方もあると思います。
全部を聞く必要はありません。答えが出なくても、話を急がせなくていい。まずは最後まで聞いて、「そう考えていたんだね」と受け止める。プレーの細かな修正はコーチと共有しながら、ご家族には、その子の気持ちや考えに触れる会話を大切にしていただけたらうれしいです。
子どもが「今日は話したくない」と思う日もあるはずです。「話したくなったら聞かせてね」。そんな関わり方も、大切にしたいと思います。
思いきり挑むために、準備をする。
挑戦を支えるのは、毎日の準備です。必要な道具を自分で確かめる。時間や約束を守る。練習の目的を理解し、わからないことは聞く。仲間のプレーにも目を向ける。
自分で考えて動くことには、周りへの責任もあります。チームの約束や、その場の状況を踏まえて選び、うまくいかなかったら振り返る。次はどうするかを考え、練習で確かめる。
準備して、試して、振り返る。うまくいかなかったことは、次の準備に生かす。その繰り返しを、一緒に大切にしていきたいのです。
大人も、自分の関わり方を問い直す。
「挑戦していい」と伝えた私たちが、失敗した瞬間の表情や言葉で、次の挑戦をためらわせていないか。私自身も、問い続けなければならないと思っています。
伝えたことが届かなければ、伝え方を見直す。判断を誤ったら認め、必要なときには謝る。選手の話を聞いて、自分の考えを更新する。コーチも学び直す姿勢を持ち続けたいと思います。
EduVateやLuminous Bloomで掲げる「Growth」は、私たち大人にも向けられた言葉です。選手に成長を求める私たち自身も、愛情と責任を持って、関わり方を磨いていきます。
「もう一度やってみよう」が、残るように。
いつか、進学先で、仕事で、人との関わりの中で、思うようにいかない日が来るかもしれません。そのときに、何が起きたのかを考え、必要なら人の力を借りて、自分で次の一歩を選べる人になってほしい。
コートで失敗した日の経験も、誰かが話を聞いてくれたことも、もう一度挑戦できたことも。その子が自分の人生を歩いていくための、確かな支えになってほしいと思っています。
うまくいかなかった今日にも、
次を変える一歩はある。
その一歩を、生徒、ご家族、私たち指導者で大切に育てていきたい。それが、私の考える人財育成です。

